子ども食堂の活動について
静岡市内で多数の子ども食堂を運営される、NPO法人静岡市子供食堂ネットワークの八木さんに活動内容を詳しく聞きました。
子ども食堂を運営する上で気を付けているところは?
“衛生管理を徹底して気を付けています”
子ども食堂には正式な許可が必要な訳ではないですが、事前に立ち入り検査も受け保健所の指導を受けながら衛生面には十分配慮し運営しています。厳しい基準があるので、流しそうめんや餅つきなど子どもたちと一緒に楽しめる企画ができないのは残念ですが、普段から良好な信頼関係を築き、協力的に進められる体制を作れるよう心掛けています。
“子ども同士の関係性や家庭、学校での様子なども気にかけます”
子ども食堂の現場では子どもたちの会話から、学校や家庭での様子や人間関係が垣間見える場面があります。子ども同士が子ども食堂で過ごす様子を見守りながら、必要な時には大人も会話に入りコミュニケーションをとりながら信頼関係を構築していけるように心がけています。大人が介入しすぎると子ども同士の関係性の構築の妨げになることもあるので、干渉しすぎには気をつけながら、子どもたちの会話に耳を傾けるようにしています。時にはうまくいかない交友関係の愚痴を聞きながら、イジメや虐待などのSOSが発信されていないか気を付けています。
子ども食堂の可能性~イベント等の活動を通して子供たちが学ぶ場に~
“様々な人との交流の中で、子どもたちの将来に繋がる刺激が得られる機会を与えたい”
子ども食堂を利用する子どもたちの中には、不登校だったり、学校がつまらない、行きたくないと感じている子どもたちもいます。日々の学校生活の中で様々な悩みやストレスを感じ、将来にもあまり希望を持てない子どもたちに向けて、将来に繋がる前向きになれる刺激を与えてあげられることを何かしたいと思っていました。
そんな中でベルテックスの選手が来てくれるお話をいただき、とても良い機会だと思いました。その道で一つの事を極めているプロのスポーツ選手と触れ合うことは子どもたちにとっても良い刺激になると思います。
イベントでベルテックス静岡の選手が来場
静岡のプロバスケットボールチーム「ベルテックス静岡」の選手が子ども食堂を訪問。子供たちとボール遊びなどをして一緒に過ごしました。 ※イベント紹介記事
その他にも、事情を抱えた子どもたちに将来を意識する機会を作りたいと関根社長にご相談したところ、アイワ不動産で職業体験をさせていただく機会を設けていただきました。各部署を回り実際に物件を見ながらお話を聞いたり、社長の椅子に座らせてもらったり、名刺交換も体験させていただき、とても良い刺激になったようで、帰る時には「将来社長になる!」と盛り上がっていました。これからもできることを考えながら、いただける機会を活用し小さなきっかけを積み重ねていきたいと思います。
子ども食堂全体として支援の体制は?
“それぞれの会場に支援企業がつけば理想的”
アイワ不動産さんが毎月の開催資金を支えてくださっている「井宮北しょうぶ子ども食堂」のように、他の子ども食堂の会場でも同じように地元の企業様からの援助が得られる体制がとれるのが理想的だと考えています。その他にも団体に毎年まとまったお金を寄付してくださっている企業様や、お金ではなく商品や物を継続的に寄付してくださっている企業様も増えました。個人の方からのご支援の窓口としてAmazonのほしいものリストを活用したり、インターネットからクレジット決済で寄付ができるようにしたり、試行錯誤しています。2020年から静岡市のふるさと納税の補助金の対象事業としても採択されるなど、様々な場を活用して支援を募っています。
お話を聞いたのは・・
理事・現場責任者 八木 忍さん
アイワ不動産の活動について
朝から晩までお仕事をしている社員の皆さんが毎月現場まで来て、会場の準備から片付けまで一緒に汗を流して協力してくださることは、簡単なことではなくとても感謝しております。皆さん楽しそうで、子どもたちとも積極的に遊んでくれています。開催当初はスーツ姿の大人に接し方がわからないで戸惑う子どもたちでしたが、今では子ども食堂の開催日には「一緒に遊ぼう」と誘いにくるほど馴染んでいます。終わりごろには皆さん汗だくでせっかくのスーツもドロドロ、それでも笑ってまた仕事に戻っていかれる姿に頭が下がります。関根社長もどんなに忙しくても毎月必ず顔を出してくれて気さくに話してくれますし、アイワ不動産さんが子ども食堂の場を大事にしてくれているのが伝わってきます。自治会も場所の提供に協力的で、ご理解を得ることができてとても助かっています。
「NPO法人静岡市子ども食堂ネットワーク」
「静岡市内の小学校区に1つ子ども食堂を!」を目標に、2016年4月に設立。主催者・協力者・利用者と行政・企業・学校・団体を結びつけ、子ども食堂の立上げ、運営支援を行う団体。市内15ヵ所の小学校区で開催される地域住民や学生のボランティアによる食事提供をサポートしている。